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表紙は『自由日記』の二冊目を用いてデザイン


新刊・文春文庫版『終戦日記』(大佛次郎)刊行

昭和19年9月10日から終戦(20年)の年の10月23日まで、太平洋戦争末期の日常生活を具体的に書きとどめた日記。鎌倉における人びととの交流や文士たちの動向、あるいはトルストイ、ゲーテなどのヨーロッパ文学の読書感想などが綴られる。さらには、作家生活のなかでも重要な作品となった『乞食大将』(後藤又兵衛の一代記)の執筆進行具合などが窺える。

昭和20年8月9日では、新型爆弾(原爆)投下の話題に続き、レペチェルの『コンミュン史』を読み始めたことが記されており、死の危険が迫るなかでのたゆまぬ勉学の意欲と向上心が伝わってくる。

元となる日記は、第一書房発売の『自由日記』(総革製、天金)二冊に万年筆で書かれたものである。一冊目の冒頭に記された「物価、と云っても主として闇値の変化を出来るだけくわしく書き留めておくこと」という言葉が印象深い。

なお今回、文庫本収録に際して新たに書簡とエッセイが増補されたが、いずれも日記と補足しあった内容で、照らし合わせて読むと興味も倍加する。

解題は旧版に収録されていた福島行一のものを再録(文庫版のための文章が追加)、解説は新たに村上光彦により執筆。

 

●『 終戦日記』

文庫版 437 頁 943円+税 文藝春秋 2007年7月10日
本書は 95年に単行本『大佛次郎 敗戦日記』(草思社)として刊行表紙は『自由日記』の二冊目を用いてデザイン されたが、今回増補するにあたり改題。

 

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