The Society of OSARAGI Jiro
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●小川和也(おがわ・かずなり)略歴
1964 年群馬県館林市生まれ。成蹊大学文学部卒業。現在、一橋大学大学院社会学研究科・博士課程在学。日本思想史、近世思想史専攻。大佛次郎研究会会員。

主要論文「天明期越後長岡藩の藩政改革と農書――読書による藩家老の政治思想」(『歴史評論』 2005 年)ほか。共著『「戦争と知識人」を読む――戦後日本思想の原点』(青木書店、 1999 年)ほか。


新刊『鞍馬天狗とは何者か――大佛次郎の戦中と戦後』

 当研究会会員である小川和也氏の新著が藤原書店より刊行された。
本書執筆の動機として著者は、「大佛が軍国主義に対して、批判的であったというのは、通説化している。だが、戦時下に反戦の精神をもった知識人は、基本的に『沈黙』せざるを得なかったのに対して、大佛の場合、雑誌・新聞に執筆しつづけていた」ことを疑問に感じたことが出発点になっていると記す。

戦時下の作品のなかで、戦後の著作集・全集などに未収録、あるいは未再刊の一群の作品が存在していたことに思い至った著者は、これらの作品群を読み解きながら、「単純な反戦思想の持ち主でもなく、また単純な戦争協力者でもなかった大佛次郎像を彫り上げた」( 2006 年 8 月 6 日付『毎日新聞』掲載「本と出会う」、大岡玲の書評から)ことを明らかにしていく過程はスリリングで興味深い。

なお、本書は 2005 年に新設された、第一回「河上肇賞」奨励賞の受賞作を元に改稿されたものである。

●[目次]

序章 大佛文学の世界

第T章 大佛次郎の「空白」と「満州」

第U章 戦時下の大佛次郎

第V章 戦後の鞍馬天狗と東京裁判

終章 鞍馬天狗の行方

附表として、戦時下における大佛次郎随筆作品一覧と「鞍馬天狗」シリーズ作品一覧を掲載

『鞍馬天狗とは何者か――大佛次郎の戦中と戦後』
四六版ハードカバー  246 頁 2800円
藤原書店  2006 年7月刊行

 

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